呟き

猫 langue de chat

俺はお前が大嫌いだったよ

ただただ嫌いでしかなかったんだ 昔から

共に暮らしていても苛立つばかり

何が欲しい?

何を望んでいる?

答えが解らない

そんな目で見つめるな

人が泣いていたら寄り添う優しさ

誰よりも人間臭いお前の生き方

次第に惹かれていくようになり

いつの間にかこんな俺にも教えてくれた愛

ありがとな 素直に好きになったよ お前のことを

くだらない遊びにも付き合ってくれた

もうおばあちゃんなんだから無理するな

お前は素敵な生き方を教えてくれたよ みんなに

いつか来る別れがこんなにも突然だなんて

まさにお前らしいなって感じたよ

まさかこんなに涙が溢れるなんて思わなかったな

お前に流す涙なんかないはずだったのに

あの日足元がふらつくお前を見て心に穴が空いたみたいだった

俺の見間違いじゃないよな?

あんなに元気なお前だったのに どうして

仕事終わりに窓辺でお前に素直な気持ちをぶつけて

泣いた夕空が遠い過去のようだよ

最期に本音を話せて良かった

普段は照れ臭すぎて目も合わせないけどな

話せてホントに良かったよ

だからもうおやすみ

もう十分に想いは伝えたし伝わったよ

だからもう安心して眠ってくれ

口を開けば泣き崩れそうでイヤなんだ

これから小さな2人もやがて大人になるだろう

お前のことは記憶に刻まれてる

空から優しく見守ってあげてくれよ

俺もあと少しだけ生きたらそっちに行くから また喧嘩しようぜ

出逢った頃みたいにさ

本当にありがとな

本当ありがとう 出逢ってくれてありがとな

また必ずめぐり逢おうな ラン